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出迎えの木陰 小笠原母島沖港船客待合所

□設計概要

所在地 東京都小笠原村母島
竣工 平成15
敷地面積
2,488m2
建築面積
404m2
延床面積
383m2 116坪
構造 鉄骨造
階数 平屋
用途 船舶待合所

外部仕上
屋根 アルミメッキ塗装鋼板
外壁 アスロック

住宅仕上
タイル
ボード材
天井 ボード材

□ 計画の考え方

小笠原諸島母島の玄関口となる沖港の船の待合所です。南国の厳しい日射しから旅行者を守るためテント膜の日除と深い軒を設けました。好天時は扉を開け放して風通しの良い快適な空間となります。母島でしか産出されないロース石を壁面に使用しています。海辺の建物として塩害対策と60m/sの台風に耐えられる強度などが求められた建物です。


父島と母島とを結ぶははじま丸
小笠原母島船舶待合所 配置図




立面図


断面図


平面図







入港する人を迎える場所
母島の港に船が着くとこの船舶待合所に着きます。建物は災害時に母島の拠点となる役割も求められていました。

小笠原母島船舶待合所
外観
台風時の強風や高波に耐えられる建物としてつくりました。


村の木・タコノキ
小笠原母島船舶待合所 庇
初期スタディ模型
大きい庇
タコノキの特徴的な枝、ガジュマルのつくり出すおおらかで包み込むような樹形をイメージして、厳しい陽射しを和らげ、快適な木陰をつくる。また待合所は、開放的で風通しを良くし、空間に広がりをもたせることにより快適な環境とする。

クジラ 小笠原母島船舶待合所



プラットフォーム
くじらのモニュメントをみる日除空間。母島はホウェルウォチングの名所です。デッキテラスの前にクジラのモニュメントがあります。

防風雨戸
強風時に閉める強度のある雨戸をつけています。
小笠原母島船舶待合所
待合所
乗船チケットを買ったり、島の観光案内をしたり、住民の集まりの場になったりする待合所です。
小笠原母島船舶待合所
待合所
デッキテラスにつながり、クジラのモニュメントが見えます。
待合所
島の特産品を販売したりする場所になります。

ロース石
母島のロース石の原石




島のロース記念館
ロース石 「ロース」とは建材の石の名で、江戸時代末期にこの島に移住したドイツ系移民のフレデリッキ・ロルフスラルフに由来。彼は母島の石が加工しやすく、かつ熱に強いことに気づき、島民にその利用方法を普及したといいます。


>ロース石


ロース石
壁面に母島のシンボルであるロース石をつかいました。


入港風景

母島
建物完成時に東京都が発行した都民向けの新聞記事です。


母島は父島より船で4時間かかります。遠いけれども楽園です。設計時の現地調査はとても楽しいものでした。
 atelier YUMIRA ユミラ建築設計室WORK LIST